2022
works
ヒートアイランド緩和に向けた路面温度低減手法に関する研究
-蒸発冷却舗装システムの長期蒸発性能確認と密粒舗装散水・保水性舗装との比較-
飯塚竜河 宮越翔吾
路面温度低減手法に関して、保水性舗装ブロックA~Cを対象とした浸水暴露試験では、暴露開始1年で全ての試験体で蒸発性能の低下傾向があったが、ブロックA・Cはまだ十分な蒸発性能を維持した。夏季屋外実験より蒸発冷却舗装システムAは3~6日間、密粒舗装散水は25~90分間冷却効果が持続した。さらに、密粒舗装での連続散水システムを提案した上で、費用対効果比較を行った。施工10年目以降では蒸発冷却舗装システムA・C’の費用対効果が最も高くなった。以上より、ブロックA・C’を用いた蒸発冷却舗装システムは路面温度低減手法として有効である。
暑熱環境緩和に向けた用水による道路散水の社会実験
-熱環境実測とアンケート調査-
北野温英 澤井健人 高城厳矢
用水の利活用および暑熱環境緩和の観点より、一つの社会実験として用水の水を夏季晴天日日中、金沢市中心市街地の道路上に散水し(散水面積268~576m2、散水量0.17~0.27L/ m2・min)、熱環境実測および通行人への意識調査を行った。路面温度はすべての実測を通して散水前後で6~20℃の低下が見られ、散水終了後もその効果は0.5~2時間続いた。4日中3日は散水中と散水終了後2時間弱、1~2℃の気温低下が見られた。意識調査では、散水場所は非散水場所と比べて85%が「涼しい・やや涼しい」と回答した。今後の課題は、費用対効果、歩行性などがあげられる。
建築設計教育における環境シミュレーションを用いたボリューム検討手順書の提案
高畠剛志 山中俊拓
金沢市中心市街地での環境配慮型まちづくりに向け、GISでの気候分析図の作成及び、タクティカルアーバニズムの提案とその一部実践(用水を活用した散水)を行った。気候分析図については、既往研究データを追加した上で、閲覧・使用性向上に向けGISデータを作成した。タクティカルアーバニズムでは、都市環境改善に向けた6種類の具体策を提案し、一部実践としてまちなかでの用水を活用した散水実験を行った。さらに行政とまちづくりに関わる企業との意見交換会を行い、GISデータの有用性、社会実験の可能性や課題を確認した。
手取川扇状地における水田の暑熱緩和効果に関する実測研究
森本裕太 江坂幸樹
手取川扇状地における水田の暑熱緩和の実態を明らかにするため定点観測・移動気温実測等を行なった結果、6月26日~7月26日(雨天時除く)で、15時~翌朝5時は水田域の平均気温が市街地を0.82℃下回り、6~14時は水田域の気温が市街地を0.48℃上回る傾向がみられた。水田域の気温に対して宅地と水田という異なる土地被覆間で生じる熱の移流による影響が大きく、また海沿いの土地は海風による冷却効果が海から約4kmまで確認された。ある地点の不快指数とその半径150mの土地被覆の関係より、早朝は自然的土地被覆率が高いほど不快指数が低くなる傾向がみられた。
野々市・北国街道における地域ポテンシャル分析とそのPR動画作成
中村幸樹
野々市・北国街道の景観、神社、道路、公共施設に関する魅力分析を行った上でPR動画を作成した。本街道の特徴は無電柱化、歩道の拡幅、学びの場所となる公共施設などが挙げられた。PR動画はA₂(秋季祭)、B₂(ストーリーあり)、C₂(ショート動画)を作成しアンケートを行った。動画を見て本街道に行きたいと思った人はそれぞれ100%、動画をおすすめしたいと思った人はB₂は70%、A₂とC₂は100%だった。野々市市役所からは「若者向けで堅苦しくない見やすい動画」とコメントをもらった。これらより一定の目的は達成できたといえる。
金沢市中心市街地における都市環境気候図に関する研究
-気候分析図のGISデータ作成とタクティカルアーバニズムの提案-
北山哲也
金沢市中心市街地での環境配慮型まちづくりに向け、GISでの気候分析図の作成及び、タクティカルアーバニズムの提案とその一部実践(用水を活用した散水)を行った。気候分析図については、既往研究データを追加した上で、閲覧・使用性向上に向けGISデータを作成した。タクティカルアーバニズムでは、都市環境改善に向けた6種類の具体策を提案し、一部実践としてまちなかでの用水を活用した散水実験を行った。さらに行政とまちづくりに関わる企業との意見交換会を行い、GISデータの有用性、社会実験の可能性や課題を確認した。