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2021
works

​短・長期冷却持続性および必要強度を

有する舗装ブロックの材質と形状の検討

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​佐藤健之佑 古澤琉玖

 蒸発冷却舗装システムの実用化に向け、必要強度を有した上で、降雨後の夏季晴天日で蒸発冷却効果が2日間以上持続し、かつ1~2年経過しても表面で十分な蒸発を行う舗装ブロックの材質と形状の選定・検討を進めた。選定したセラミック系ブロックについて、有効保水量を増やすために空洞率を設けてI型にした。曲げ強度試験の結果、空洞率20%でもJIS基準を満たした。夏季晴天日での実験では、空洞率0%は最低でも2日間、空洞率15%は3日間冷却性能を維持した。長期冷却性能を確かめるための暴露試験を開始し、2ヶ月経過時点では蒸発性能に問題はなかった。

​建築設計プロセスにおける環境評価手順書の作成

​保科壮 丸山祐司

 本研究では、金沢工業大学建築学科の2年生後学期に開講されるPD実践の補助資料として「建築設計プロセスにおける環境評価の手順書」を作成した。対象敷地の環境情報の収集、ボリュームスタディ、リビングを対象とした中間期の通風、年間を通した昼光利用、夏季日射遮蔽、冬季日射取得の環境解析評価による環境設計の手順を示した。学生に対する使用感調査と建築家教員へのヒアリング調査を実施したところ、環境評価の基準値を示すことにより、学生が自ら設計した住宅の評価をすることができ、環境配慮型の建築設計に関心を持つ機会になることが推察された。

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​夏季夜間における金沢市の繁華街での高温化の要因解析

​東優理菜 渡邊直希

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 夏季夜間における金沢市の繁華街・片町の高温化の要因を把握するため、片町と住宅地・長町を対象とし、実測調査に基づいたAケース(自動車排熱なし)、Bケース(室外機排熱なし)、Cケース(室外機+自動車排熱あり)の熱流体解析を行った。結果として、Cケースにおける片町と長町の気温差(約0.32℃)は過去の実測結果と近しくなること、22時の片町の高温化には自動車排熱が及ぼす影響が大きいことが確認された。本研究で提案した自動車排熱の解析モデル(道路直上に高温空気をモデル化)と室外機稼働率が異なる時間帯の解析は今後の課題である。

計画指針図における具体策の数値解析と費用対効果による評価

​-金沢市中心市街地での環境配慮型都市の実現に向けて-

武田真洋 ​清水麻耶 林竜太郎

 本研究では、夏季日中・夜間熱環境改善エリアを定め、具体策を提案するとともに、熱流体解析及び、費用対効果の算出による有効性の評価を行った。結果、建物撤去の具体策は気温低減効果に期待できるが、多額の費用がかかり費用対効果が小さくなりやすい。対してミストや道路散水は費用が安価で費用対効果が高いため、実用性が見込みやすい。更に専門家との意見交換会では、具体策をタクティカルアーバニズムなど実験と計画を交えながら都市計画に落とし込み、効果や反応を確認し、金沢市に適応する計画指針図を作成することが望ましい等との知見が得られた。

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コケ植物の生死に着目した吸放湿特性に関する研究

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​三田健太 中村湧雅

 コケ植物の生死における吸着等温線、顕微鏡観察、ガス吸着法により吸放湿特性の把握を試みた。結果、重量含水率において生きた方の吸放湿量が多いのはスナゴケ、スギゴケ、ネジクチゴケ、死んだ方が多いのはハイゴケ、ギンゴケであった。顕微鏡観察では死んだスナゴケは突起が縮む表面の形状変化が見られた。ガス吸着法により乾燥スナゴケは比表面積が1.0㎡/g、細孔容積が0.004cm3/g、平均細孔直径が16.5nmであることが確認された。また1㎡あたり1270gの乾燥スナゴケを用いた壁で、相対湿度45%→90%において132g/㎡/24hの調湿性能がある試算となった。

​金沢市中心市街地における夏季日中の気温分布に関する実測と分析

大吉貴裕 丸山大地

​ 夏季日中の金沢市中心市街地を対象に、緑地が気温に与える影響と熱中症リスクに着目した上で、気温分布とWBGTの実測と気温分布傾向図の作成を行い、以下の結果を得た。1)地域において気温分布の差異が確認され、最高気温(東山)と最低気温(金沢城)の差の平均は約5.3℃であった。2)±1.5℃程度のばらつきはあるが、限られた範囲で気温からWBGTの推定が可能となった。気温が高い地点では熱中症対策が必要な傾向にある。3)昼夜の気温分布傾向図の比較により、緑地による冷却効果は、日中は夜間ほど広範囲で確認されず、緑地付近の狭い範囲でのみ確認された。

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